胃を科学する
制作年月 1969年5月
時 間 18分

あらすじ この映画は、胃の構造と機能の実態を生きた姿で正確に記録したものです。世界で初めて、顕微鏡下に捉えられた胃粘膜の表面は、まるで月のクレーターを見ているようです。

そのクレーター「胃底腺開孔部」の間を血球が巡って流れていきます。また、組織構築をくずさずに培養する技術が、胃体の組織と細胞の形態を映し出します。胚芽層で盛んに分裂する細胞は、古い組織を粘膜表面に押上げ、新しい組織を作っているのです。胃の粘膜上皮は、3日ぐらいで、全部入れ替わるといわれています。

胃壁の筋層と胃底腺の間には、線維をアンテナのように張り巡らせた神経細胞が、生きて動いています。胃液の主成分である塩酸を分泌し、ペプシノーゲンを活性化してペプシンに変える「壁細胞」が膜を激しく変化させて液体を盛んに分泌しています。酵素原顆粒を多量にもった主細胞、この細胞が分泌する物質は、消化酵素となるペプシノーゲンです。アセチールコリンやガストリンを作用させて顆粒の変化を記録しています。

1969年、第30回ベネチア国際映画祭・第14回パドバ大学国際科学教育映画祭において、医学教育部門第一位、銀牛頭賞を受賞しましたが、その審査会に、「この映画は、ユニークな細胞培養とすぐれた撮影技術を駆使して胃液分泌のメカニズムを明らかにした。そして示唆に富んだ物語性によって、私たちの科学と教育の未来に価値有るものを与えてくれた。」と賞賛されました。
受賞歴 1969 科学技術映画祭 優秀作品賞
1969 ベニス・パドバ国際科学・教育映画祭 医学部門第一位賞
1970 ユーゴ・ニコラ・テスラ国際科学映画祭 銅賞

日本医師会推薦
文部省選定
企 画 株式会社太田胃散
監 修 高橋 忠雄 (東京慈恵会医科大学 教授)
学術指導 和田 武夫 (札幌医科大学 教授)
草野 信男 (東京大学医科学研究所 教授)
信田 重光 (順天堂大学医学部 講師)
青山 友三 (東京大学医科学研究所 助教授)
田中 照二 (東京慈恵会医科大学 助手)
丹羽 信善 (東京慈恵会医科大学 講師)
本間 道 (東京警察病院小児科 医長)
山田 正篤 (国立予防衛生研究所細胞病理室 室長)
望月 孝規 (虎の門病院病理室)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ 演出:武田純一郎
脚本:浅香時夫
研究:浅香時夫
撮影:長谷川高久
音楽:三木稔
解説:城達也
制作:林六郎