肝硬変成因究明の軌跡
制作年月 1978年11月
時 間 34分

あらすじ 肝硬変の成因を求めて、研究が積み重ねられてきました。
酒は、古くから疑われた一つです。禁酒法時代や戦中の死亡率減少によって、アルコール脂肪肝から肝硬変へのルートが裏付けられました。腸内細菌による中毒説や、栄養障害説。浜名湖地域で起こったアサリ中毒事件、カビによる黄変米事件は、急性肝障害から起こる肝硬変の可能性を示唆しました。
軍隊病と呼ばれた流行性肝炎、ワクチン接種による血清肝炎、そして研究者の貴い犠牲の体験を経て、ようやくウイルスが発見されました。肝硬変を形態的に分類した長与又郎の標本は後人に受け継がれ、ウイルス肝炎から慢性肝炎、肝硬変への移行を証明することに貢献しました。

しかし、地域による成因の多様性もまた事実です。多くの貴重な医学史料、興味深い報道写真や丁寧な取材によって、肝硬変への多角的な理解を深めた作品です。
受賞歴 1979 科学技術映画祭 優秀作品賞
1979 国際科学技術映画コンクール東京大会 名誉賞
1979 日本産業映画コンクール 奨励賞

厚生省推薦
優秀映画鑑賞会推薦
企 画 日本ケミファ株式会社
監 修 上田 英雄 (中央鉄道病院 院長)
織田 敏次 (東京大学医学部 教授)
学術指導 志方 俊夫 (日本大学 教授)
鈴木 宏 (東京大学 講師)
協 力 荒牧 長門 (順天堂大学 講師)
大林 明 (東京都立駒込病院感染症科 部長)
奥平 雅彦 (北里大学医学部 教授)
柄沢 勉 (日本大学医学部 講師)
草野 信男 (山梨医学研究所)
高橋 隆 (北里研究所製造部)
田代 浩二 (昭和大学医学部 教授)
中田 勝次 (大阪医科大学)
矢野 右人 (国立長崎中央病院内科)
Hans Popper (The Mount Sinai Medical Center)
※企画社名、監修・指導学者の所属・肩書き等は完成当時のものです。
スタッフ 演出:武田純一郎
脚本:大野一美 / 愛川直人
撮影:杉山章 / 根岸栄
研究:浅香時夫
解説:伊藤惣一
制作:戸田祥一郎